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土から土へ

2009/02/15

福島の知り合いを訪ねる
秋に訪ねたときに作らせてもらった
陶器が焼き上がっていて
おいしい夕餉をいただきながら
楽しく話をした
土から作られた食べ物を、料理して
土から作られた器にのせて、食べる
土が世界をつないでいる
また小さな器を作らせてもらって
2年後に取りにくる約束をした

砂漠のエヴァーグリーン

2009/02/12

1962年公開の作品、アラビアのローレンスを
新宿の映画館で見る、2009年の冬
デビッドリーンも、アレックギネスも、アンソニークインも
もうこの世にはいないけれど
フィルムの中の砂漠で、今も生々しく生き続ける
表現者たちと、ロレンスという歴史
時間の流れは平等に、厳しくもありやさしくもある

短い冬

2009/01/30

いつもの坂道、この2、3日ですっかり梅が咲いた
急にいろいろと先のことが決まって
取り急ぎ車のあちこちを交換している
タイヤも、ガラスも、オーディオも
短い冬を楽しむために
そして2年後のドライブを楽しむために
今年の桜は見られそうにないけれど
彼の国ではどんな春の花が見られるのだろうか

Happy New Year

2009/01/01

大晦日、昼は一色のそば屋で
大家さんと年越しそばを食べる
夜は風呂に入りに出かけ
通りがかりに除夜の鐘を聞いた
いつもと違う特別な深夜の通り
そういえば去年も一昨年も
年越しの瞬間は同じこの車の中だった気がした
あの砂漠を走った車は今
真冬の東海道を走る
けれど、ネットで知った
パレスチナからのニュースに
Happy な気分になれないNew Year

BLINDNESS

2008/12/19

フェルナンドメイレレス監督の新作
目が見えていても、見えないものと
目が見えないから、見えるものの話
目を背けたくなるようなシーンをいくつも見せられて
やがて、本当に何を見るべきなのかに気がつかされてゆく
たった5人しかいない映画館を出たときに
いままでとは世の中が違って見える
久しぶりの感覚を味わった

仰ぎ見るオリオン

2008/12/01

この季節になって
宵の空に昇るオリオンを見ると
夏の明け方を思い出す
冬の宵に見える星座は
夏の明け方と同じなのだ
この角度で仰ぎ見るオリオンが
時間も場所も飛び越して
いろいろな瞬間に
連れて行く

雨のサラウンド

2008/11/24

久しぶりに雨の音を聞く、家の中で過ごす一日
今住んでいる借家は小さな一軒家なので
右からも左からも、そして上からも
雨の音が聞こえてくる
部屋の中では Sarah Vaughan
何かに包まれている感覚が
とても強くなる、雨の一日

紅葉ちらり

2008/11/20

今年は台風がこなかったせいか
紅葉がきれいだ
いつもの坂を降りるつかの間
11月の陽に照らされた向かいの山が
鮮やかな黄色や赤に染まっているのを見る
そこで立ち止まりたい気分を
受け入れる余裕が欲しいといつも思いながら
いつもの駅へと道を急ぐ

乳酸

2008/10/17

久しぶりに泳いでみたら
乳酸がやってくるタイミングが
すっかり早くなっていて驚いた
だからといってその場で、なんとか出来るわけでもなく
粛々といつもの距離を、休み休み、泳ぎながら
ブランクを感じているのだった

土の日

2008/10/09

福島県で農家と、陶芸家を訪ねた
土から取れたものを、ちゃんと食べられることは
なによりも、おいしくて、しあわせなことだ
そして、土を練りながら
陶芸は料理に似ているねという話をした
「天空の城ラピュタ」でシータが叫んだ言葉をよく思い出す
人は土から離れては生きられない