contact of the day

その言葉を今日は２度使った
遥か遠い国での生活が、再び始まったのだ
その言葉を口にしながら
日本では使わなかった
どこかの回路が
また動き始めたような気がした

「インシャアッラー」＝「神様の思し召しのままに」

今夜、久しぶりの海外に向かって
出発することとなった
初めての夜のフライトなので、早朝からひとつづつ
準備をして、後１時間ほどで家を出る
日が傾いて、肌寒くなってきた
不思議に長い一日
残った時間、掃除でもして、もう少し部屋を
こざっぱりとしてから出かけよう

この夏に行った、三浦半島
逗子から三崎にかけての
いくつかの海岸の中で
印象に残ったのは、油壷だ
そこは鎌倉時代
豪族三浦家が、北条氏によって
滅ぼされた場所
うっそうとした緑と
澄んだ海の色が
どこか別の時代を感じさせる

討つ者も 討たるる者も 土器（かわらけ）よ くだけて後は もとの塊
（三浦家最後の当主、三浦 道寸　辞世の句）

気温は変わらないが
湿度の高い蒸し暑い日にまじって
湿度の低いさわやかな日が来るようになった
ヒグラシの声は聞こえなくなり
代わりにツクツクボウシが鳴き始めた

すこしづつ、すこしづつ、夏が行く

長い間使っていた携帯

交換になりますといわれて
手放すのはとても寂しかった

新しくなって、いろいろと機能は増えたのだが
その分操作も複雑になった
何年も使って
これにも慣れていくのだろうか
そしてこれを手放す時も
寂しい思いをするのだろうか

革の端切れを買ってきて
ケースを作った

キューブリックの映画「バリー・リンドン」を見た
見事な映画で、やっぱり感動してしまった

キューブリックの映画はその手法から語られることが多い

撮影にあたり、すべてを自然光で収めるために
F値0.7というNASAが開発した明るいレンズが使われたという

ものづくりにおける手法と目的の混同はとても危険だ

けれど、それはものづくりだけには限らない
仕事の進め方などにも当てはまるな、と思いあたって
少しはっとしたのだった

そういえば、映画に描かれる主人公の哀しさは
目的と手段をはき違えてさまよう、人生の哀しさだったのでは
と、思ったりもした

ある日突然、携帯メールが文字化けで読めなくなった
docomomoからのメールだけかと思っていたら
同じキャリアであるボーダフォンからの
メールすらも読めなくなっていた。
自分の使っている携帯は1999年に製造されたものだ
カメラもないし、画面はモノクロで、文字は2行しか表示されない

それでも必要にして十分なやりとりはメールで行えていたし
それは通話とは別の、便利なコミュニケーション手段だった。

絵文字というものがあって、それをキャリアを超えて
共有する目的で、携帯メールの仕様が最近変わったらしい。

そのせいで自分が今まで使っていた、たった128文字の
普通のメールの文字が全く読めなくなってしまった。

電話にテレビもいらないし、カメラもいらない
絵文字もいらないし、音楽もいらない
通話と、短いメッセージのやり取りがメールで出来れば
それだけでよいのだけれど

ボーダフォンに電話したら
お使いの機種では残念ながらメールを読むことは不可能で
そのためには、新しい機種に変えてくださいと
申し訳なさそうに言われた。

買い替えればいいという問題ではない
買い替えないで、これまでやってきたし、
これからもやっていくつもりだっった、

例えば今売っている、携帯電話の中に
10年買い替えることなく、愛着を持って使い続けることの
出来る機種があるのだろうか。

その電話で10年後も今と同じサービスが同じように受けられるのだろうか

お店には色とりどりの携帯電話が数えきれないほど並んでいるけれど

自分の欲しい物はどこにもない。

どうしたらいいのだろう

すこすこと、打つ感覚が気持ちいい
新しいキーボードを買った

入力機器ということは
ここから自分の考えやら、思いやら、
意識やら、無意識やらが
文字となって入力されていく入り口なので
触っていて気持ちがいいというのは
とても大事だと思う

ついでにマウスパッドも変えた
ホームセンターで売っていた
１６８円の朴の小さな板
すべすべとしていて、これも気持ちいい

一日降り続けた雨がやっとあがったので
七輪で友達からもらったタイ風ソーセージを焼いた

サラダはアボカドとトマト
みそ汁には茄子と大葉

よく見たら、みんな「いただきもの」ばかりだった
そういえば最近スーパーに行っていない

家には死海の南で拾った石があって
それをを見た人が
これはどんなものでも吸収してしまうものだと言った

良いものも悪いものも

容赦なく太陽の照りつける、灼けて、渇いた枯れ谷を
思い出しながら
怪我をした小指をそっと当ててみたら
少し痛みが和らいだ気がした。