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日常

2010/09/01

2010年のFringeが終わった
エジンバラの街は静かになって
あちこちで劇場だった場所が
普通の広場や、教会や、学生会館やら
元の姿に戻っていく

それは街全体で
バラシ(芝居が終わった後の撤収作業)が
行われているという雰囲気

僕の生活から劇場通いはなくなったものの
朝にはいつもどおりの時間に出て
今週いっぱい続く英語コースの授業に出席する
ランチは公園でスーパーで買ったサンドイッチを食べる
午後は習慣になったプールに自転車で通う
帰りにスーパーに寄って食材を買って
フラットに戻って料理をする

旅行中なのに、不思議と日常的な
時間が過ぎていく

シンプル

2010/08/30

Smiler
障害者の介護を題材にしたストーリーテリング
ストーリーテリングという表現にもだいぶ慣れてきたが
やはり身体表現が少ないとノンネイティブにはつらい
でもこんなふうに語られるべき物語が
今の日本にもっとたくさんあってもいいような気がする
一人、舞台で笑ったり、泣いたりする演者を見ていて
日本の落語を思い出したのだった

BOUND
蟹工船もこんなふうに舞台にすれば、と思った
海で、魚をとって働く
それは景気後退とかサブプライムローンとか
全く関係の無い話のはずなのに
シンプルなことをシンプルに出来ない
まったく複雑な世の中になってしまった

ミュージカルズ

2010/08/29

Fringeの最後の日曜日は
ミュージカルを二つ見る
in Touch はインターネットの中と現実との人格を
別の役者が演じるというミュージカル
リアルの自分とアバターというダブルスタンダードは
すっかり普通のコトとして世界に溶け込んでいる
舞台というリアルな身体を感じる場所で
ネットという非リアリティーの存在を演じているのが新鮮だった

そしてSpring Awakeneing は、トニー賞をとったミュージカル
ストーリーは古典で、展開はシンプルでもどかしいぐらい
けれどその分、描写は濃密で
音楽も演技も素晴らしく、このままウェストエンドでやっていても
おかしくないぐらい見事なミュージカル
こんな素晴らしい舞台が13ポンドで
しかも小さな劇場で見られる贅沢

カジモドの涙

2010/08/27

ノートルダムのせむし男のひとり語り
これもどちらかというとストーリーテリングに近い
けれども話を知っている分、観やすい
たったひとりで、大勢の観客を前に
劇場という空間を支配する
役者の表現力に
引き込まれる

舞台を終えた最後の挨拶で
役者が流していた涙は
カジモドの涙だったに違いない

新しい課題

2010/08/25

Edinburghで沢山の舞台を見てきたが
チケットを買っていたのに
観に行くのを忘れてしまったのは
今日が初めて

その時間に自分はプールで
気分よく泳いでいたのだった

左足のキックをかばうために
右手のクロールが強くなって
背中の右側が痛くなってしまった
おかげで左で息継ぎをするたびに背中が痛む
何事もバランスというのは大切だ
これまでやっていなかった右側での息継ぎをすることにした
左へのローリングの際に右側で顔を上げて
バランスを崩さないようにするためには
左足をしっかりとキックする必要がある
水を飲んだり、バランスを崩したり
まったく泳ぎ慣れていないフォームになってしまったが
それでも少しずつ、左右対称に近づいてくる
課題ができるのはそれなりに楽しい

Apple Green

2010/08/24

エジンバラについて2日目に頼んだ
折りたたみ自転車を今日引き取りに行った

どの色にするかを迷っていたのだけれど
カタログではぱっとしなかった色が
店頭で一番きれいに見えたので
それに決めた

そういえば、4月に日本で買った
パタゴニアのバッグも
そんなふうに店頭で実物を見て色を決めた

ここしばらくはみどり色が呼んでいるのかもしれない

Hamlet the Musical

2010/08/23

これは自分にとっての今年度のベストかも知れない
悲劇と喜劇はとても近いということを思い知らされた
最後の最後まで、面白おかしい、笑える
ハムレットのミュージカル
父親の亡霊が、なぜかエルビス・プレスリーの格好だったり
ローゼンクランツとギルテンスターンは、パペットだったり
一瞬生き返ってコーラスに参加するオフィーリアとか
これだけ笑いというものをとりながらも
それでもハムレットは逡巡する、もちろん笑いをとりながら
押さえる所だけはしっかりと押さえている
生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ〜
カーテンコールでは観客も一緒に歌うのだった

The Door

2010/08/22

この安心安全な国で
戦争という問題を論じるのに
演劇という表現手法の持つ
大きな可能性を感じた

映像や新聞記事よりも
感情がダイレクトに届く
劇場という虚構の世界にありながら
論じられるのは現実なのだ

上手な役者に上手に騙される安心
素晴らしい演技は観客を
虚構の先の現実に連れてゆく
そして、一人の人間という
最小単位のリアリティーに根ざした
逃れられない現実と向き合わされるのだ

Romeo and Juliet

2010/08/21

芝居としてみるのは3度目の
Romeo and Juliet
残念ながら、今までに観たうちで
最高のものとはならなかった
作り手も観客もストーリーを知っているから
Shakespeareのテキストが
どんなコンテキストで観られるのか
どんなふうに感動が起こるのか
観る方も作り手も
安心と不安の両方を抱えている
そうやってクラシックは
時間を超えて生きる

Sticks, Stones, Broken Bones

2010/08/20

ほんの1時間程の
ありふれたものを使ってみせる影絵のショー
満員の劇場では僕を含めて
大人たちが影絵を見て大喜びする
みんな騙されたくてあの劇場の客席に座り
パフォーマーは騙すためにステージに立つ
騙す側と騙される側で
どんな関係が築けるかが
感動の質を左右する
影絵そのものに感動しているのではないのだ
それを通じて届く
作り手のメッセージに
感動しているのだ
お客を一人一人送り出す
パフォーマーを見て
そんなことを考えた