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暴力の連鎖

2011/01/05

加害者を責めることと
被害者に寄り添うことは
同じことではない

被害者に寄り添うことを忘れて
加害者を責めるのは容易い

暴力的な行いには
想像力は必要とされないし
考えることも必要とされない

弱いものに寄り添うためには
想像力も必要だし
考えることも必要だ

そのことを忘れないようにしたい

No problem

2011/01/04

「問題ない?」という問いの答えを
ちゃんと得ることは案外難しい
問題を問題と認識していないかぎり
誰もが「問題ない」と答えるから
いっそ、「実は問題が、、」
という答えの方が
ありがたかったりする

問いかけの前に自問すべきは
問題の有無ではなく
問題意識の違いがあるかどうかなのだ

GIFT

2011/01/01

自分が誰かからもらった贈り物は
贈り物の形で誰かに返したい
もらった相手にいつも返せるとは限らないから
贈りかえす誰かが贈った誰かである必要はきっとない
贈りかえす物が贈られた物である必要もない

そんなふうに廻り巡って
誰かからの贈り物が今日も届く

暖かい冬の日差しと
八百屋で買ってきた寒咲きの菜の花を見ながら
そんな世界のことを想像するのは
悪くない

夕日と犬

2010/12/31

山に籠って年越しをしようと
計画していたのだけれど
結局今日も飛行機は飛ばず
計画は中止した。

二日連続4時起きのぼおっとした頭で
航空会社のカウンターに出向いて
キャンセルと返金の手続きをする

雨あがりのイスラマバード
澄んだ空気と、暖かい日差し
ぼおっとしたまま過ぎる
今年最後の一日

庭で犬と遊んでいたら
外に散歩に出たがっているように思えたので
今年最後の夕日を見ながら、一緒に散歩をした
犬と自分の長い影
これはこれで
幸せな瞬間

散歩をしたかったのは
自分だったかもしれない

ぽっかりあいた一日

2010/12/30

新しい年を特別な場所で迎えようと
早朝の空港に行く
搭乗ゲートで待っていると
天候不良によりフライトはキャンセル
翌日の便を予約して家に戻る

夕方には空は晴れて
きれいな夕焼けが見えた

家に戻ったおかげで
年越しそばが食べられた

明日、大晦日の朝は
梅干し入りのおにぎりを作って
持っていこう

アイドル

2010/12/25

皆で鍋を食べた後に
大画面でYoutubeを見る
AKB48から山口百恵まで
アイドルの系譜を
さかのぼっていると
大盛り上がりのうちに
日付けが変わってしまった

こんな夜がやってくることを
あの頃の僕はとても想像できなかったから
テレビをとても真剣に見ていた時代があった

そしてそのまなざしが
時間を超えて再び交差することに
感動している

そんな、年の瀬の
イスラマバードの夜

サンタクロースの存在

2010/12/24

人に何かを贈るのは
人から贈り物をもらうよりも
嬉しいことかも知れない

贈られる喜びよりも
贈る喜びが勝るからこそ
サンタクロースは存在することができるのだ

革命の出発点

2010/12/18

チェ・ゲバラについての映画を見た
監督のスティーブン・ソダーバーグは
革命という事象ではなく
「人間」にまなざしを向ける

人が人を治める仕組みが続く限り
政治家も革命家も独裁者も人間だ

そして、それを映画に仕立てる作り手も
それを見る私たちも
みな同じ人間であるというところが
すべての出発点なのだ

人としてどう生きるべきか
その問いは、すべての人間にそれぞれ
投げかけられている

silence is golden

2010/12/16

イスラマバードの北にある
マルガラ山に登る
片道1時間少しの行程は
アキレス腱を切って以来の
初めての本格的な運動になる
なんとか登りきって
みんなでおにぎりと出し巻きを食べた

それほどたくさんの
山に登っているわけではないけれど
山というのはそれぞれに
違う静けさを持っているのだなと
これまでに感じたことの無い
静かなパキスタンの一日を
経験したのだった

食卓の旅

2010/12/15

今夜、イスラマバードから日本に戻る人を送る
ささやかな夕餉に
奥飛騨で食べた湯豆腐をまねて作ってみる
お土産にと持たせてくれた梅干し
有楽町で買ってもらった北海道の昆布
豆腐と野菜は現地調達
食卓に乗っているものが
どこから来たかを思いやるだけで
また、たくさんの旅が
出来る気がした