contact of the day

The Audience

2013/06/14

ヘレン・ミレンがエリザベス2世を演じる
The Audience を観る
8人の英国首相と一人の女王のダイアローグ
長い時間の流れの中で
女王という一人の人間、一つの国、様々な感情
そして首相との対話を通して
浮かび上がるイギリスの姿
演出はスティーブン・ダルドリー

女王も一人の人間であり
好きも嫌いもある
妥協もあれば打算もある
共感できることも出来ないこともある

その上で、英国の
女王として君臨しているのだ

人のありかたと同じごとき
国のありかた

論理的、合理的、効率的な
答えを急がないことが
答えになることもあるのだ

別の空

2013/05/14

半年待たずに
ジョルダンを再訪する
もう一度
空を飛んで

春が来た日

2013/05/03

とかく評判の悪いスコットランドの天気だけれど
青い空と澄んだ空気の素晴らしさを
楽しめる日は必ずやって来て

そんな日には、皆が
天気のいいことを喜ぶ
とても喜ぶ

誰だって不平不満はあるだろう
けれど、誰にだって喜びもある

その日をじっと待って
心の底から楽しむのだ

魔法の言葉

2013/04/17

Danny Boyle の新作
Tranceを観た

ヒッチコックの「白い恐怖」を
少し思い出す

催眠療法で何処かに連れて行かれた
あの主人公のように
スクリーンを見る僕も
何処かに連れて行かれていた

その一言で世界のありようが変わる
魔法の言葉

魔法が効いているときは
誰も魔法のことを語らない

Mind the gap

2013/04/14

広い溝を飛び越えるには
体力が必要だけれど
深い溝を飛び越えるには
別の強さが必要だ

その深淵を覗き込む強さと
深さに引き込まれずに
飛び越える強さ

絶望は
広さゆえではなくて
深さゆえだと気がつく

もらう、あげる、つくる

2013/04/06

すべてのものは何か他のものと
交換可能だろうか

お金で買えないものは
ほとんどないという世界は
お金によってしか
何かを得ることが出来ない世界と
いうことだろうか

身の回りのすべてのものが
お金というものを介さずに
もらう、あげる、つくる
だけで成り立っていた
かつての世界を今に想像してみる
それはなかなか悪くないと思う

モースの贈与論を読みながら

一時間

2013/03/31

遅々として進まないエッセイを書くため
夜遅くまで起きていると
朝の小鳥のさえずりが聞こえてくる時刻が
昨日は3時半だったのが今日は4時半に
小鳥は時計を見ていない
今日からサマータイムが始まったのだった
一時間損した気分
締め切りは迫ってくる
イースターの朝

Caesar must die

2013/03/22

グラスゴーの古い映画館で
簡潔に、深く、重く
演劇と映画と現実を行き来する
アートの持つ力を伝える映画を観た

生きるべきではなかった過去を
現実に背負った囚人たちが
芝居という別の時間を生きる

そしてまた新たな現実は生まれ
幾重にも重なる世界の深さに
救われる気がする

外国人のクラスメイト

2013/03/13

10人も来たら大変だなと
思っていたけれど

家具を動かしたり
イスを運び込んだり
掃除もして
思いの外、リビングの空間は
心地よく埋まった

けれど料理は間に合わず
日本人が作っているという
コンテキストに
すっかり頼り切ってしまう始末
納得いかないコンテンツ=味に
何事も準備が大切と
改めて思い知る

忘れられない悲しみに

2013/03/11

忘れることが出来ないほどの
悲しみを負ってしまった人々からしか
忘れてはならないことを学ぶことは出来ない
忘れてしまうことの意味と
忘れないでいることの意味は
ずっとずっとその先にある

House of Terror

2013/02/22

人が人に対して
酷い行いを為す
私も、彼も、彼女も同じ人なのだけれど

社会というのは
長い時間をかけてあまたの人の手で作られた
人が人を助ける仕組みでもあり
人が人に強いる仕組みでもある

今はもうこの世にいない
加害者と被害者の
写真と名前が並ぶ
ブダペストのHouse of Terror は
未来の為に超えてゆかなければならない
大きな何かを突きつけられる博物館

xerxes

2013/02/21

古代ペルシャを舞台にした
ヘンデルのオペラが
ポップアートやブレイクダンスで彩られる
とても興味深い演出だった

王様自らが抱く愛のために
その力は純粋化されて
周りで画策する者達によって
権力構造の醜さが浮き上がる

そして思いを強圧することよりも
愛されることの受容が
導く大団円

今までに訪れた中で一番豪勢と感じた
ハンガリー国立オペラ劇場の
見事なルネッサンス建築と装飾を
かえってミスマッチと感じる面白さ

かつてユーゴスラビアという国があった

2013/02/20

ユーゴスラビア歴史博物館と
チトー記念霊廟を訪れる

かつてユーゴスラビアという国があった
チトーとともに潰えた夢

夜は国立劇場でカルメンを観る

最愛の人の命を奪うしか残されなかった
ホセの通った道

暴力は予期しないところから
突然に現れる

Kalenić Market

2013/02/19

世界標準のはずの
マクドナルドで売っている
ハンバーガーのパティでさえ
この国では国産の美味しい肉を
使っていると聞いた

豊かさな食べ物の並ぶ
ベオグラードの市場を歩きながら
どれも飛行機で持って帰れそうにない
だからこその
豊かさを実感するのだった

浅い眠り

2013/02/18

制圧され、反抗し
奪い、奪われ
植民地化と内紛の
長い歴史の後の
台風の目のような
静かな瞬間のこの場所にいる

動かない鉄の塊を見ながら
恐ろしい怪物が
いつまでも眠っていて欲しいと願う