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エジンバラフェスティバルだより(3)

2003/08/11

「LOFT」という舞台をみた。
一人の舞踏家によるパフォーマンス、
ステージとほぼ同じ大きさのスクリーンがバックドロップとなって
いろいろなイメージが映し出される。
主に舞台で踊っている舞踏家その人が映し出されるのだが
そこにいろいろと仕掛けがあって舞台と映像とのからみが面白い。
タイミングが見事で、舞台に映像を合わせているのか、映像に舞台をあわせているのか、
わからなくなる。そういう意味では作品としてとてもうまく融合している。
けれど目の前で踊る肉体よりもいつのまにかスクリーンの方に目がいってしまうのはどうしてだろう。
目の前の役者が何をするかよりも、スクリーンに何が映るかということに期待がいってしまうのだ。
もちろん自然とそちらに目が行くように、演出されているのだろうけれど、、、
映像は時に、照明や装置のかわりにもなれば、主役のかわりにもなる。
メディアとしての映像が、舞台上でその本領を発揮しはじめると、
生身の役者でさえ食われてしまう可能性があるのかもしれない。

ウィンドー

2003/08/11

いつも気になって立ち止まるけれど、
外から覗くだけで、中に入ったことはない
古道具屋のショーウィンドウーには
次に誰かに使われるのを
ここでちょっと待っているだけの
古い物たちが
所狭しと置かれていました。

日常

2003/08/10

朝ご飯を作る。
芝生の上を歩く。
今日のプログラムに面白そうなものがないか探す。
プールに泳ぎにいく。
芝居を見る。
スーパーで安売りの惣菜を買う。
晩ご飯を作って食べる。
明日から始まる英語のコースのために鉛筆を削る。

エジンバラフェスティバルだより(2)

2003/08/09

今日もなぜかフランスの劇団だった。「Theatre O」は3年前に観た「3Dark Tales」 がとても良かったので、今回の「The Argument (A family Portrait)」にも期待。役者は4人。かなり「変」な家族のメンバーをそれぞれが演じる。
やっぱりおもしろかった。ラストに向かうエピソードの積み上げ方と構成、キャラクターのバランス、役者の動きの見事さなど、とてもレベルが高い。そしてラストシーンでは死の重さをずしりと感じる。死よりも絶望的なものはありはしないのだ。なんて、とてもシリアスな舞台のようだけど、しっかり笑える。いや、笑えるからこそ、その重さも感じられるのかも。セリフは前より多くなって聞き取るのは大変だけど、気にしないで見ているだけでもちゃんと楽しめる舞台でした。

エジンバラフェスティバルだより(1)

2003/08/09

Monty Python’s Flying Circus
なんとあのイギリスの伝説のコメディー「モンティーパイソン」をフランス人がフランス語で、舞台でやるのだ。放送されたエピソードの中からいくつかを、内容もほとんど変えずに、、、
「おち」はみんな知っている。それでも笑えてしまうのだ。それは他ならぬ「モンティーパイソン」の凄さなのだった。20年以上前のコントを再現して、ちゃんと笑えるというのは凄い。舞台が終わった時のお客さんの拍手には、なんだか本家の余裕のような妙な暖かさを感じてしまった。

2003/08/09

そこかしこにある芝居小屋だけでなく
通りにまで溢れ出る表現者たち。
朝から晩まで、途切れること無く
パフォーマンスは続き
流される汗、かけ声や笑い声、拍手とおじぎ。
表現する人と、観る人が一緒につくる「場」が
数えきれないほど生まれ、
そんな「場」が街全体を包み込んでいるのが
8月のエジンバラです。

都市歩行術

2003/08/08

観光客でごったがえす、エジンバラの街中
今日見る予定の芝居のチケットだけを持って、
ぶらぶらと歩いた。
人込みの中は、砂漠とは違う
自分の足下だけを見ても、歩けないし
遥か遠くを見ていても、歩けない
必要なのは、小さな目的を決めて、
今、歩いてゆく方向を定めること。

2003/08/07

今までだって、夏休みのようなものだったのだけれど、
やっと夏休みが始まったような気がしている。
今日のエジンバラは、快晴。
夏の太陽とひんやりとした風と、街中を飛ぶかもめ。
安い航空券だったせいで、
2日かけて、飛行機に4回乗ってきたけれど、
そのせいで、ずいぶん遠くまでやって来た気分、
けれどここは知らない遠くの土地では無く、
この時間、この場所に、帰ってきたという気がしている。
一年ぶり、4度目の夏のスコットランド。

祝福された時間

2003/08/07

午後8時の夕陽は黄金色に輝いていた
高緯度地方の夏
なかなか夜がやってこないから
なかなか一日が終わらない
そんな日の長い夏は、ほんの短い期間しか続かない
この場所にしかない、春夏秋冬のリズムの中に
この場所にしかない、祝福された時間がある。

ナット・キング・コール

2003/08/06

エジンバラで借りた古いフラット
棚にあった古いレコードを聴いてみた
久しぶりに聴く、レコード針の音
古い街の、古いアパートメント
目を閉じたまま、
目の前で演奏されているようなJAZZを聴いた。
日本から遠く離れた場所で、
時間もどこかに移動したように感じた瞬間。
このまましばらくは、
どこにも戻らなくてもいいのだ。