ジョルダンのプラネタリウムrakuda

prium これは昔の絵でもなければ、SFの映画の合成画像でもありません
ジョルダンの南にある砂漠地帯「ワジラム」で撮影した、ヘールボップ彗星の姿です
岩山は月明かりに照らされています。彗星は近日点をずいぶんと過ぎているので、尾はそれほど長くありませんがかなり低い高度でもしっかり写っています。35mmカラーネガからのスキャンです。
ジョルダンの砂漠地帯ではこんなにすばらしい星空を見ることが出来るのです。

prium この国には、日本政府の文化無償により贈られたプラネタリウムがあります。ジョルダンでたった一つのプラネタリウムです。ハヤ文化センターという子供向けの文化施設にあるこのプラネタリウムは、ドーム直径7m、座席数50ほどの小さなプラネタリウムにもかかわらず、子供達に大人気の目玉施設で、年間5万人に達する入場者を集めています

prium 現在このプラネタリウムはジョルダン人のスタッフにより運用されているほか、ジョルダン天文協会の拠点にもなっていて毎週木曜日には例会や講演会などが行われています。 そしてこのプラネタリウムのある首都アンマンではやはり、星はあまり見えません。ジョルダン天文協会のメンバーたちも、この光害を逃れるために、観測のときには毎度砂漠地帯などに行くのです。砂漠に囲まれた国の星のない首都にあるプラネタリウム。本当の星のあるところにはこのプラネタリウムは必要ないとしたら、そこはとても不思議な空間に思えてきます。

prium 自然を体験するための人工空間、プラネタリウムでしか満天の星を見たことがない人が多くなってゆくとしたら、それはちょっと悲しいことだけれど、大きな宇宙を封じ込めた、プラネタリウムの小さなドームの中からは、今日も子供たちの歓声が聞こえてきます。

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