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2003.9.3
夜明け ヨーロッパから日本に向かうフライトは 時間を追い越しながら飛ぶので あっという間に夜が明ける。 追い越した時間は、どこにいったのだろう 機内から見たロシアの平原の夜明け。 |
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2003.9.2
港 アムステルダムの空港には 居心地のいい場所が結構ある まるで活気のある港町のように いろいろな場所から来た人が しばし留まっては、流れてゆく |
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2003.9.1
島を出る 誰かの見送りのために 沢山の人が港で手を振っていた 世界の果てのような場所にあって 誰もが離れ難くなる小さな島 船はゆっくりと、現実の世界へ向かう |
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2003.8.31
島 もう来ないかもしれないと思っていた島に 3年経って、再びやってきた。 大気も、海も、緑も、ここはあまりにも 全てが澄み切っている |
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2003.8.30
オフロード 偶然が重なって スコットランドランドローバークラブがやっている 地元のオフロードレースを観ることが出来た 広大な丘陵地帯に造られた手作りのコース 草の上に寝転がって、大人の遊びを見た 小さなオフロード車が転がるように走り廻る どこまでも見渡せる草原 |
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2003.8.29
天気雨 雨が降っているからといって 躊躇しているわけにはいかない いつのまにか降り出したように いつのまにか止んでいる スコットランドでは 天気を行動の基準にしてはいけない。 |
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2003.8.28
虹の見えた日 フェスティバルはもうすぐ終わり 夏も終わろうとしている 一日中晴れている日は少なくなった 雲と空と太陽の 役割がゆっくりと入れ替わっていくように ゆっくり確実に秋がやってくる 今日はきれいな虹が見えた |
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2003.8.27
通学路 短かった3週間 学校に通うのはとても楽しかった 遅刻しそうになって走っていても ジョギングしているようにしか見えない のんびり歩いていると そのままどこまでも 歩いていってしまいそうになる 2003年、夏の通学路 |
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2003.8.26
世界を創るには ひとたび、役者が演じはじめると そこに世界が立ち現れる 演劇の喜びは、そんな瞬間に立ち会えること その世界は作り手と観客のおたがいで共有され 意味を与えられる 世界を創るには、想像力のほかはなにもいらない |
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2003.8.25
いい舞台に出会った後は 観るもの、聴くもの、全てが どこかでその舞台と繋がっているような気がして いま自分の立っている場所すらも ステージのように思えてくる。 |
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2003.8.24
Old Long Ago 今年で54年目を迎えた エジンバラ・ミリタリー・タトゥー 今夜は3週間続いた今夏の公演の最終日 僕の右隣の人はアメリカから 左隣はニュージーランドから お互いに手を取って、口ずさんだ Auld Lang Syne (スコットランド民謡) |
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2003.8.23
ひんやりとした風 教会のひとつで行われている St. Petersburgから来た舞踏団の公演 終わって外に出たら 太陽はとても眩しく、空は高く青く 風は少しひんやりとしていた。 観ている間どこかに連れていってくれるだけでなく 観終わった後、世界が少し違って見える すばらしい公演でした。 |
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2003.8.22
悲劇の後に エジンバラの街をそのまま舞台にしてしまう 世界でただ一つのマクベス 今日は今年の公演の最終日。 演じきった後のみんなの顔は ほんとうにうれしそうで 心からの拍手と、笑顔の交った瞬間 |
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2003.8.21
かもめ チェーホフの「かもめ」を観た。 自分の戯曲が人に理解されないと嘆く主人公は 2年後に自殺をする。 大学の時に戯曲を書いていた僕は 10年経ってエジンバラで「かもめ」を観ている。 絶えず笑いを誘うような舞台の中で 笑わなかったし、笑えなかったのは 主人公だけだったことに気がついた。 「かもめ」を読んだのは、10年前だけれど そのことには気がつかなかったし こんなに「笑える」芝居だとも思っていなかった。 |
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2003.8.20
スコットランドはイングランドではない スコットランドの人たちは 自分達の国を愛していることを 臆せず口にするし、アピールもする 長い歴史の中で、常に敗者側だった という理由を挙げる人もいれば ナショナリズムに繋がらないという意味で 政治的にそれが大きな意味を持たない 愛国心ととらえられているようでもある。 そんなふうに「愛する」ことのできる場所に住める スコットランドの人が少しうらやましかった。 |
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2003.8.19
石の細胞 古い壁は、砂岩で出来ていて もろくて崩れやすいので 保護するのが大変だという話を聞いた。 この傷や、あのくぼみは、 10年前のものなのか、100年前のものなのか どれだけの壁が、消えていったのだろうか 崩れては、置き換えられる 街の細胞 |
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2003.8.18
路地の誘惑 迷い込んでみたくなるような 見知らぬちいさな路地に入って 突然、人通りが途絶えたり 見たことのない風景にでくわしたり そうやって、不思議な路地を通り抜け いつもの場所に出てきても なぜか前にいたのとは 違う世界に来たような気がする。 |
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2003.8.17
OPEN MIND チョークで直接、壁に書いてあるのは 芝居のタイトル、劇場名、日時。 街に溢れるポスターやチラシ 200ページにわたるプログラム 300近い会場、1500を越える演目 街を歩き、ページをめくり、 耳を澄まし、目を凝らし、 その「一本」を見つけだすのだ。 |
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2003.8.16
ニーベルンゲンの指環 Dress Circle J-13 番の座席で観た 地元のScottish Operaによる ワーグナーのオペラ「神々の黄昏」 3年前から毎年一本づつ上演され 今年は最終章の「神々の黄昏」をふくめ 一週間で4部作が一挙に上演となった。 同じ席で4夜続けて観たという観客も多く 観客にとっても、上演側にとっても、特別な夜 鳴りやまない拍手は、どこか暖かかった。 |
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2003.8.15
急ぎ足 高くそびえる建物には古い塔が多く あちこちに時計塔があるのだけれど ちょっと時間がずれていたり 止まったままの時計があるせいで 示している時間をあまりあてに出来ない。 時計を持ち歩かない僕は 開演時間に間に合うだろうかと いつしか急ぎ足になる。 |
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2003.8.14
ストリート 朝から晩まで 街のいたるところに溢れる音楽。 歌ったり、叩いたり、吹いたり、弾いたり それでもあんまりうるさいと感じないのは そのどれもが、録音した音では無く ライブだからなのかもしれない。 音が溢れるというよりも 表現のパワーが溢れていて 道行く人たちも、それをちゃんと受け止めている。 |
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2003.8.13
二足歩行 借りているフラットから大学までの道のり コンクリートの階段、アスファルトの道路 湿った土、やわらかな芝生、古い石畳 足の裏に伝わってくるいろんな感覚が 歩くのは楽しいことなのだと教えている。 |
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2003.8.12
幕間 劇場の客席が、日常と非日常の間にある空間なら、 幕間は、日常と非日常の間にある時間 ワーグナーのオペラ、ワルキューレ、 第2幕と第3幕の幕間 神話の時間と空間をどっぷりと共有しながら いろいろな感覚が宙に浮いたままの 幸せな待ち時間 |
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2003.8.11
ウィンドー いつも気になって立ち止まるけれど、 外から覗くだけで、中に入ったことはない 古道具屋のショーウィンドウーには 次に誰かに使われるのを ここでちょっと待っているだけの 古い物たちが 所狭しと置かれていました。 |
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2003.8.10
日常 朝ご飯を作る。 芝生の上を歩く。 今日のプログラムに面白そうなものがないか探す。 プールに泳ぎにいく。 芝居を見る。 スーパーで安売りの惣菜を買う。 晩ご飯を作って食べる。 明日から始まる英語のコースのために鉛筆を削る。 |
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2003.8.9
場 そこかしこにある芝居小屋だけでなく 通りにまで溢れ出る表現者たち。 朝から晩まで、途切れること無く パフォーマンスは続き 流される汗、かけ声や笑い声、拍手とおじぎ。 表現する人と、観る人が一緒につくる「場」が 数えきれないほど生まれ、 そんな「場」が街全体を包み込んでいるのが 8月のエジンバラです。 |
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2003.8.8
都市歩行術 観光客でごったがえす、エジンバラの街中 今日見る予定の芝居のチケットだけを持って、 ぶらぶらと歩いた。 人込みの中は、砂漠とは違う 自分の足下だけを見ても、歩けないし 遥か遠くを見ていても、歩けない 必要なのは、小さな目的を決めて、 今、歩いてゆく方向を定めること。 |
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2003.8.7
祝福された時間 午後8時の夕陽は黄金色に輝いていた 高緯度地方の夏 なかなか夜がやってこないから なかなか一日が終わらない そんな日の長い夏は、ほんの短い期間しか続かない この場所にしかない、春夏秋冬のリズムの中に この場所にしかない、祝福された時間がある。 |
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2003.8.6
ナット・キング・コール エジンバラで借りた古いフラット 棚にあった古いレコードを聴いてみた 久しぶりに聴く、レコード針の音 古い街の、古いアパートメント 目を閉じたまま、 目の前で演奏されているようなJAZZを聴いた。 日本から遠く離れた場所で、 時間もどこかに移動したように感じた瞬間。 このまましばらくは、 どこにも戻らなくてもいいのだ。 |
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2003.8.5
ローマ、フィウミチーノ空港 早朝の空港は出発の人々でごった返している。 それでもどこか気持ちがいいのは、 今まさに出かけようとする人たちから うきうきするようなラテンな気分が 伝わってくるからだろうか。 イタリアに来たのは初めてで トランジットで一泊しただけなのに 体のどこかでわずかにキャッチした 「ラテン」な感覚に またいつか呼ばれるような気がしている。 |
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2003.8.4
富士山 神輿を上から見下ろしてはいけないように、 この山を上から見てはいけないんじゃないかと思っていた。 外国から日本に帰る度に いつもきまって眺めてみたくなる。 これほどまでに美しいものが、 国の真ん中に当たり前のようにあるということが なんだか奇跡のようだ。 飛行機から眺めても、やはり畏れ多い 出発の日に空から見た、夏の富士山 |
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