国境の街、冬の一日
1999年の特別な日
皆既日食がおこったあのちいさな街には
やはりあの家族が今でも住んでいて
7年と5ヶ月ぶりの訪問を暖かく迎えてくれた
最初に知り合った歯科医の長男は
(ヒッチハイクで彼を村まで乗せたのが知り合ったきっかけだった)
小児科医の奥さんと、今ではアルメニアで暮らしているという
弟たちは変わらず、子供達の数は増えて
お父さんもお母さんも、みんな元気そうだった
以前と変わったことといえば、携帯電話の番号を交換したこと
弟が持ってきたSony製デジタルカメラで
みんなで記念撮影をしたこと
そして撮った写真を
eメールで送る約束をしたこと
温かい昼食をごちそうになっているころ
冷たい雨が、みぞれから雪に変わってゆく
アレッポまでは所々、強い雪や、雨、みぞれの中
真っ暗闇のロストハイウェイ
結局6時間以上かかってたどり着いた
真冬のチグリス川
雪を抱くクルディスタンやトルコの山並みは
やはりとても遠い場所だけれど
縮められない距離と
縮められる距離がある
特別な一日のことを思い出すのでなく
遠く隔てられた場所でも、何処も同じ
今日という日常があることを想像するのだ